日曜日, 11月 28, 2004

裁判外紛争解決手続利用促進法成立

12月3日に閉会予定の今国会で「裁判外紛争解決手続利用促進法」が成立する見込となった。仲裁や調停など訴訟以外の紛争解決を行う団体の認証制度や手続ルールを規定した法律だ。
我々の生活環境と隔絶した、弁護士や裁判官という特殊な職業人に支配された一種独特の閉鎖的な空間で、民事訴訟案件の処理が執り行われているという印象を強く持っていた。そうした意味では今回のADR制度の基本法としての「裁判外紛争解決手続利用促進法」が、果たしてどのような具体的な展開をしていくのかは興味がある。
しかし現在のところこの新法が成立することを知っている国民がどれほどいるのだろうか。
パブリックコメントを聴取したといっても、ほとんどの人がその事実さえ知らないまま手続手順の一つとして通過しているに過ぎない。
弁護士以外の法的資格を有する独立職業人が、この法律の成立を新たなビジネスチャンスとして捉えているかも知れないが、生活者にとっては何が起きているのかさえ知らされていないのではないか。
(参考)
●ADRの拡充・活性化のための関係機関等の連携強化に関するアクション・プラン
●裁判外紛争解決手段(ADR)のご案内((社)日本商事仲裁協会)

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日曜日, 9月 12, 2004

新破産法に思う

わが国の倒産処理法制においては、かねてより法制度の不統一、不整合、矛盾等について、有識者や実務家から多くの不満や意見が出されていたが、民事再生法の制定、会社更生法の改正、担保執行法の改正、そして今回の破産法の改正(2005年施行)により、一連の法整備が一段落することになると考えられている。

私は、1997年当時再建型倒産処理法の整備の方向性として、故宮川知法教授の『債務者更生法構想・総論』が考えたような百貨店理論(入口が一つで中で複数の処理方法が選択できる形の新法制定)が、好ましいと考えていた。しかし、宮川教授の早逝がどれほどの影響を与えたかは分からないが、現実には「和議法」の廃止、米国破産法の再建型手続のチャプター11に類似した占有債務者(原則として既存の債務者が経営を継続する)統治型の「民事再生法」制定、そして会社更生法、破産法の個別改正という流れとなった。
この改正の流れの中では、「債務者更生」というキーワードに対する対応策を、個々に解決することが最大の課題となった。
世界的な倒産法の歴史においては、懲罰的な倒産処理制度から、債務者救済の倒産処理制度への潮流があり、その中でも米国破産法は何度かの法改正を経て、予防救済型として早期の更生手続が取れるようになり、例えば高額な損害賠償請求を受ける見込があると言うだけで、更生手続を申し立てることができ、わが国の常識からすると、なぜ更生手続が取れるのか不思議に思うケースも多々あった。

新破産法で最も個人消費者破産について充実したのは、破産申立と免責申立の一体化、免責手続き中の強制執行停止、自由財産の範囲拡張などである。
また法人破産においては親子会社や代表者破産との手続裁判所一体化(従来は破産会社の所在地ごとに別な裁判所で処理がされることがあった)、債権確定手続き合理化(期間・書面式に変更)、包括的禁止命令導入(個別の債権者権利行使を包括的にストップする)、破産会社の役員責任査定決定の制度(役員責任の追求を容易にするための損害賠償請求権の査定制度を導入)などが挙げられる。

ところで、倒産という事象にも、「誠実な債務者」と「不誠実な債務者」が存在する。倒産しておいて「誠実な債務者」というのはいかがなものかと思う人も多いと思うが、これは実務を経験すると良く分かる点である。
最大限の努力をしても外的な要因で倒産に至った場合は、その再起のために法的なセーフティネットがあることが望ましい。しかし、一方では債権者を欺いて詐欺的に破産をする人々がいる。倒産という事象を利用した詐欺集団である。詐欺的倒産をしたA社の債権者リストに、同じく詐欺的倒産をした別会社Bが名を連ねることがあり、倒産制度自体が錬金術そのものになってしまっている。
こうした「不誠実な債務者」を保護するような法制度では、モラルハザードを起こしてしまい、犯罪を助長することになる。
悪質な不法行為があった破産者に対する損害賠償請求権を非免責債権にすることにより、「弱い立場」の債権者の権利を保護することなどによって、一定の歯止めがされているが、多くの無担保債権者に被害を与える「計画倒産」企業と、こうした企業を結果として支援することになる「申立弁護士」(仕事とはいえ犯罪の成立に荷担)対する制裁を、より具体的に法制化しない限り法律の裏をかく詐欺的破産はなくならないといえる。

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土曜日, 3月 06, 2004

青森大学法務研究所

青森大学法務研究所
東京法科大学院の民事訴訟法バーチャル講義のページへ
<吉野正三郎教授>

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