デット・エクイティ・スワップとは 【倒産WEB】
企業再建の手法の一つとして注目され、また実際に我が国でも利用されつつある制度としてデットエクイティスワップがある。このデットエクイティスワップ(Debt Equity Swap)とは、会社の過大な借入金を再建に向けて解消するために、債権者の協力を得て、一種の現物出資の形で借入金を株式に転換してしまう制度であり、単純な債権放棄要請ではなく返済や金利負担の減少を行う有効なスキームとして利用されている。
このとき交付される株式は、普通株式でもかまわないことになっているが、種類株式(優先株式)を用いる場合も多くなっている。種類株式は非常に多くの選択肢があるので、個々の会社の状況や再建計画その他種々の要因を考えて、優先配当権、株式の買取、普通株式への転換権、残余財産の分配権などの条件を、適切に設計することが重要になる。企業がかかえる過剰債務問題の解決策として、債権者が債務者に対してその債権を現物出資することと引き換えに、債権者が債務者の株式を取得するこの制度の実施例がダイエーなどをはじめ増えている。
なお現物出資債権の評価については、回収可能額を算定し、時価を適正に見積もる評価額説ではなく券面額説が採用されている。現物出資等について検査役制度が採用されているのは、資本充実の原則に反する事態を防止しようとすることにあるが、デットエクイティスワップの場合に限り、平成12年夏頃から東京地方裁判所は運用方針の見直しを行い債権の現物出資に際し、調査期間・調査費用が減縮でき、これにより誰も不利益を被ることがないことから出資額を債権の額面そのものとするという券面額説を採用しているのである。
また法人税法上も基本通達の形で、このデットエクイティスワップに対する対応が図られ、この制度により現物出資により取得した株式の取得価額は、適格現物出資である場合を除き、取得時における時価であるとされることになった。また取得した株式の時価と消滅した債権の帳簿価額との差額は損金又は益金の額として認識される。
債権者にとっては、債務者から配当を受ける権利が最劣後の株主になることや株価変動リスクを負うなどのデメリットがあるが、債務者の再建が成就した場合には株式にキャピタルゲインが生じる可能性があるので、万能の制度とは言えないものの債権放棄をするよりはメリットがあるとして同意する事例が増えているとも言える。
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